内村鑑三の言葉
経営者にとって、
何をよりどころにして経営をしているのか
非常に大切なことなのですが、
時々眼先の煩雑さに追われて、
忘れてしまうことがよくあります。
また年を重ねるごとにそのよりどころも変遷していくようです。
今日目にした、内村鑑三氏の言葉は
とても胸にすとんと落ちたので、ご紹介します。
66歳という晩年の内村鑑三が、逗留した温泉宿の若主人を気に入って、
事業と人生の成功の秘訣を自らの生きざまと人生観に照らして、したためたも
ののようです。
一、自己に頼るべし、他人に頼るべからず。
一、本を固うすべし、然らば事業は自づから発展すべし。
一、急ぐべからず、 自働車の如きも成るべく徐行すべし。
一、成功本位の米国主義に倣うべからず、誠実本位の日本主義に則るべし。
一、濫費は罪悪なりと知るべし。
一、能く天の命に聴いて行うべし。
自ずから己が運命を作らんと欲すべからず。
一、雇人は兄弟と思うべし、客人は家族として扱うべし。
一、誠実に由りて得たる信用は最大の財産なりと知るべし。
一、清潔、整頓、堅実を主とすべし。
一、人もし世界を得るとも其霊魂を失はば何の益あらんや。
人生の目的は金銭を得るに非ず、品性を完成するにあり。
拝金主義を強く戒め、誠実にコツコツと家族主義的に歩み、経営することを
説いています。
内村鑑三は、幕末に生まれた明治の人です。札幌農学校でクラーク博士の薫
陶を受け、アメリカにも留学したキリスト教徒です。そのような経歴を持つ内
村鑑三が、人生の総仕上げの時期に、日米を比較してこのような成功法則を説
いたのは非常に興味深いことです。
関連記事